はじめに
4年前、俺は6年間を共にした友人たちと離れ1人、今の大学に入った。
本当に1人、俺の知っている人は誰もいない空間。
そんな未知へと飛び込む経験が俺は人より少し、もしかすると大いに不足していた。
しかし幸運にもそこで友人を作り、サークルでも顔を出せば声をかけてもらえる程度には知られ、そしてアルバイト先でもそれなりの信頼を寄せてもらえる人材になれた。
俺は本来とても臆病で、貝だって笑い飛ばしたくなるような殻に閉じこもるタイプだ。
でも誰かと過ごす楽しさも知っていたから、ひとりぼっちも嫌だった。
だから俺はいつも何かに自分にない強さを求めた、こんな俺でも前を向いてしまうような輝かしいものを。
この日記は俺が欠陥品程度には人として生きてきて助けられたものや、綺麗だったものとかが書かれる。
別にこれを誰かに読んでほしいとかじゃないんだ。
ただ、ちょっとぐらい、自分と自分が好きなものの話がしたくなっただけ。
俺の人生の幕間。
この先、躓いた時に立ち直るきっかけになったり、誰かに自分の話をする時に使ったり、カラオケで歌う曲に迷った時に探すのに使ったり、そんな「あとでストーリーを振り返る」ためのもの。
でもまぁ、一応、何かの縁があると嬉しいから公開してしまう。
うーん、弱いくせに欲張りな奴だ。
卒論書けよ。