NRRW雑記

あれが面白かったとか、これが美味かったとか、楽しかったとか嬉しかったとかそういうの残ってるといいかなって思ったので書きなぐってます

やっぱ海賊なんてカスなんだよな…

なんでこの作品海賊が主人公なんですかね?

 

 

ワンピース film REDを見てきたんですよ。

世間では「シャンクスというのは実はシャンクの複数形で我々が知っているシャンクスはその一体に過ぎないんだよね」「道化のバギー、これに隠された本当のD。彼こそはD OUKEのバギー、つまりD王家のバギーなんだよね。」みたいな与太話でゲラゲラ笑っている人種がいて、まぁ私なんですが、そんな中シャンクスの娘という設定のキャラが物語の根幹の映画がやるというのでやっぱりこういうネタを言いながら笑っていたんですが知人に観に行こうぜと言われまぁいいかと行った次第です。

もちろんシャンクス単為生殖説とかそういうのを真に受けてるわけではないのでまぁ普通のジャンプ映画ぐらいには面白いでしょぐらいの気持ちです。

 

結論からいうとシャンクスのせいですね。

 

①物語の流れ

まずすごいんですけど前提として「大海賊時代とは無辜の民が略奪され苦しい生活を強いられる時代である」から始まるんですねこの映画。

お宝を夢見て海に飛び出し島に着けば全部俺たちの物だと奪い去りゲハゲハ笑う奴らが主役の時代なのですからそれはそう、海軍も人材が足りていないので駐留できる場所には限りがある。

 

そんな中でウタは世界に自分の音楽を配信しながら人気を集めついにライブを開催することになります。

麦わら海賊団一行はそのライブに参加しにくるわけですがライブ中にウタを攫おうとする海賊たちが現れます。

麦わら海賊団はウタを守るために戦おうとしますがウタ本人がその能力で海賊たちを倒してしまいます。

「悪い海賊たちは歌になってもらったよ!」

ウタは世界的に人気の歌手となっていますがメインの客層は先ほど触れた「海賊に虐げられる人々」です。

彼らの癒しのために歌う彼女はルフィにも海賊を辞めるように勧めます(当然拒否されますが)。

しかし幼い頃シャンクスの赤髪海賊団の音楽家としてルフィとも親しかったウタが何故アンチ海賊運動ともいえることをしているのか?

そこが物語の根幹となってくるわけですね。

 

ウタの音楽の才能は赤髪海賊団にいるころから凄まじく、シャンクスからは「ウタの歌声は世界を変える」と言われ音楽の島エレジアでは王のゴードンからここで歌手として生きないかと誘われます。

ウタはシャンクスたちといると決めその提案を断ります。

しかし、目が覚めると島は壊滅しており赤髪海賊団はたくさんの宝と共に既に出港していました。

ボロボロになったゴードンは言います。

*1「もう私たち以外みんな死んだ。赤髪海賊団が島を襲い宝を奪って去っていった」

ウタは泣きながら船に叫びますが船からは笑い声が聞こえるのみでこちらを見向きもしません。

こうしてウタはゴードンと二人きり、壊滅した島に残され現在まで生きてきたのです。

 

そうして無為な日々を過ごしていたウタですが配信のための電々虫が流れ着いたことで自分の歌を世界中に配信することします。

 

配信は好評、着実にファンを世界中に増やしていきます。

「辛い生活の中でウタの歌声だけが癒し」

「ずっとウタの歌声だけを聞いていられればいいのに」

「海賊のせいで」

「海賊が…

 

……

 

*2ウタは自分の歌で世界を変えることを決めます、昔シャンクスが言ったように。

 

大海賊時代なんかもう終わりだ。

私が新時代を作る。

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B2X3Q8H3?do=play&trackAsin=B0B2X47PPW&ref=dm_sh_Mcwz31oWc2iDyRvtLhqRJtTAR

 

そうしてウタの世界を変える計画は始まりました。

大海賊時代で苦しむ人々に虐げられることのない世界の実現のため自分の歌を聴いた人間を現実から意識だけウタワールドに入れそこで暮らしていく。

世界中のファンが注目する初ライブはそのための第一手だったのです。

 

ウタワールドに囚われたキャラたち、そして現実世界のキャラたちはそれぞれウタの計画を阻止するため動き出すがそのためには強大な魔王を倒す必要があると知り世界を救うためウタの殺害を実行しようとする海軍、ウタを救うため奮闘する麦わら海賊団、ついに現れる赤髪海賊団!

物語はクライマックスへ……!!!

 

②言ってくれなきゃわからないじゃないか

海賊に捨てられ海賊に苦しむ人々のため方法は間違っていても立ち上がった歌姫が敵かぁ!!

 

じゃないんですよ。

これシャンクスのコミュニケーション力の低さが全ての原因なんですよ。

まずですね、物語の分岐点となる*1です。

実はここはウタの能力とこの島で封印されていた魔王を呼び出す楽譜が繋がってしまい事故的に魔王が復活してしまい島中を破壊してしまいましたというのが真実なんですね。

そこでシャンクスはこう考えました。

「ウタが自分のせいだと考えるのは避けたい、ここは我ら赤髪海賊団が略奪をしたことにして丸く収めたい。」

まぁわかる。大事な娘にお前のせいでこの島の人々みんな死んだよとは言えんよね。

「海軍に追われることになる我々と一緒にいてはウタの才能を閉ざしてしまう。ゴードンさんあなたにウタを託したい。」

 

はいダメーーーー!!!!

馬鹿たれぇ!!!

「あなたのためなのよ」は実質的にその人のためになっていないの典型例です!!!!

「うちの音楽家の門出だ、笑って送り出してやろうぜ!!」じゃないんだよ

そのせいでお宝いっぱい略奪できて嬉しい海賊みたいに見えるよ

そして何よりウタの気持ちを完全無視!!!!

お前は事情わかってるからいいよ、ウタは家族だと思ってた奴らにいきなり捨てられて意味不明なんだよ

 

「離れていてもお前は俺の娘だ」じゃねぇーーーー!!!!

言え!!!!!

本人に!!!!!!

面と向かって!!!!!

きっと伝わるよねとか思うな!!

 

シャンクスができることは二つに一つ、真実を告げて置いていくか真実を隠して連れて行く!

お前がしたことはただ何も知らない子供を置いて行っただけ!!

ネグレクト!

ヤソップ(生まれて間もないウソップとその母を置いて海賊になる)もいるしお前らはネグレクト海賊団!!!

 

次、*2!

実は配信機材が流れ着いた時に当時の記録映像も拾っており誰かに教えられることなく勝手に真実を知ってしまっていたんですねウタは。

これにより自分の歌のせいでこの島を滅ぼした過去と世界中から自分の歌声で世界を変えてほしいという願いという現実の板挟みになりました。

 

 

言え!!!!!

ゴードンお前がウダウダしてたせいで最悪の展開です!!!!

ここから挽回できるのは「それ故に赤髪海賊団はお前のために汚名を背負い旅立ったのだ、お前は愛されていたんだ」と告げてあげることだろうが!!!!

でもゴードンはいくじなしなので言えないし魔王の楽譜も捨てられない。

シャンクス!!!!

言えって言っておけ!!!!

手紙とか残しておけ!!!!!!

シャンクスお前がウタの歌声は世界を変えるとか言ったのにも縛られてんぞ!!!

「私にはその力がある、私がこの世界を変えなきゃいけない」って感じに物語が始まっちゃってんぞ!!

 

 

必要なことをしないし言わないくせに余計なことはするゴミ海賊がよ〜〜〜

 

③物語上の制約から生まれた設定がなんか違う

なんやかんやあって現実世界のウタの前にシャンクスが現れウタを殺そうとする海軍を止めながらウタを救おうとします。

しかしウタは魔王の楽譜を使い現実とウタワールドを繋ぐ魔王を呼び出し計画は最終段階。

魔王を倒すにはウタワールドと現実両方から同じ場所を攻撃する必要があります。

 

お気づきでしょうか。

ワンピースの作中でルフィとシャンクスは約束を交わしており再会するのは立派な海賊になってからと近くにいてもシャンクスはルフィに決して会おうとしません。

しかし最終決戦の場に主人公のルフィとこの映画で大きな影響を持つシャンクスどちらかが不在はあまりにもがっかりです。

そのため最終決戦はウタワールドの麦わら海賊団と現実世界の赤髪海賊団がそれぞれ戦うというレイドボス形式にすることで解決したんですね(は?)。

そのためになんかあきらかに世界観の違う魔王が出てきますがまぁ瑣末な問題でしょう(そうか?)。

 

そうか????

 

魔王は無事倒されウタは解放されます。

しかしウタワールドに囚われた人々が帰ってきません。

ウタは眠ると能力が解除されてしまうため眠れなくなるキノコを食べることで制限時間のある体となりそれまでに一人でも多くウタワールドに引き込む作戦でした。

この致死性のキノコの解毒剤をシャンクスは用意しておりこれを飲んで眠ればウタも生き残るし能力も解除されて一件落着、そう思いますよね?

しかしウタは解毒剤を捨て自分の能力で、歌うことでみんなをウタワールドから救い出すことにします。

まぁ、自分がいつまで保つかわからないので自分の生存より最期にみんなを救う道を選んだと好意的な解釈できますがその説明がありません。

 

お気づきですね。

ここで死ぬことで完成するキャラなので死なせるスケジュールなんですね。

う〜〜ん?????

なんかなぁ?????

乱暴じゃない????

 

③ウタはめっちゃ好きになった

ウタのキャラ結構好きになって、既存キャラとの関係もあるけど根底が善人よりのどうしようもない状況によって物語上の敵になってしまった系なのもいいし曲が結構ね、捨てられたことが根底にあるからか激しいけど悲しげなところがあって好きですね。

ライブシーンとして見に行っても結構楽しめたよ。

ウタカタララバイとか好きですね、もう引けないんだなって感じで。

 

④終わりに

ワンピースは正直ルフィのキャラについていけなくなったのでスモーカーとかを応援しているんですが、その辺の「海賊たちって本当に迷惑」っていうところから始まるのが意外だし自分の考えに合っててよかったです。

ただまぁそういう作りにせざるをえないのもあって結局最後はそこらへんの1海賊なんかよりやばい世界の脅威vs麦わら海賊団の構図になってしまうので海賊が悪側じゃあんまりなくなっちゃうんですよね。

ハンニャバルの名言がいいよね〜

 

そんな感じでワンピース film RED、ジャンプ映画でした。

曲聴きながらそのうち見放題とか来たらライブシーン見直したいですね。

 

追記:ウタが間桐桜でウタカタララバイがI beg youって話が流れてきてまたゲラゲラ笑いました。

https://www.youtube.com/watch?v=hyV1AJiFNyo

あの自分の力の強さを確信しながらも行動の端から怒って泣いてまるで八つ当たりみたいな感覚を覚えるのなんか覚えがあるなと思ったらなるほどなぁ!

境遇的にはイリヤも近いね!!