NRRW雑記

あれが面白かったとか、これが美味かったとか、楽しかったとか嬉しかったとかそういうの残ってるといいかなって思ったので書きなぐってます

WHITE ALBUM2と自分

ちょうど就活が始まる前の年は奇跡のような年だった。

シンゴジラ君の名は。が上映されたんだ。

どちらも俺は2回見に行った。久しぶりに映画を観る楽しさを思い出した。

俺はそれまで新海誠っていう人の作品を知らなかったから度肝を抜かれた。

美しい景色、そして美しい話だった。

君の名は。については後日書くと思うのでこれ以上の話省く。

4年の終わり、2018年の始めに初めて新海誠の他の作品を見た。いろいろやっていたけどその中で最も注目していたものがあった。

 

「秒速五センチメートル」、2人の大切な人が俺にオススメしてくれたんだ。

1人は俺の大学の友人、ギルガメッシュが好きで気さくな奴だ。彼とは大学のサークルで知り合ってこんな俺とその時点で4年も付き合ってくれてる。本当にありがたい。

もう1人は、やはり友人でいいのかな?出会いが特殊、その後も特殊で勝手がわからない。

まぁはっきりさせるようなことでもないかと思うので、勝手に友達だと思っていよう。

なんにせよ、どちらも俺にとって大切な人だ。俺は他の人たちのものと同様に、この出会いに感謝してる。

 

今センチメンタルになってるのは秒速五センチメートルっていうのがそういう話でもあったからだ。

もともと恋愛系の話って結構好きで、俺自身に経験はないけど、「いなり、こんこん、恋いろは。」とか全巻買ってしまってたりする。 

まぁとにかく秒速五センチメートルを見た結果メンタルにダメージを負った俺は正月を実験でもなく遊びでもなくそのダメージの回復にあてることとなった。One more time , One more chanceを聴きながら歩く知らない町はいろいろなことを思い出させながらも少しずつ俺を癒してくれた。

 

その数日後、さっきのもう1人の方がホワイトアルバム2を話題に出していた。どうやら、なかなか精神にくるらしいと知った俺は、秒速に似たものを欲していたから、少し気になって調べてみた。

俺は奈須きのこの文章が好きだ。調べたらAmazonでは奈須きのこFateを抑えて一位を取るほどだと書いていやがる。

もう迷う理由などなかった。

とりあえずアニメがあるらしいからそっちから見ようかと探したものの、どこにもなくて結局スタートはゲームになった。

 

内容については後日書くけど、ざっくり言うとこの作品は想定をはるかに超える刺さり方をした。

特に何がマズかったか、それは俺のトラウマを刺激したこと。

俺は幼少期とても病弱でよく日帰り入院してた。

親が連れて行って、雑誌を何冊か置いて行ってくれるんだけど飲食が出来ないんだ。

昼になるとその小児科は当然昼休憩に入る。

俺は、何も買えないし、雑誌も読みたいところは読み終えているし、話し相手は当然いない。

ひとりでベッドに横たわり、点滴を忌々しく思いながら昼休憩を楽しむ看護婦さんたちの会話を聞く。いや、それならまだいい。誰の声も聞こえなくなる時間が一番辛い。

わかってるんだ、これは一時的なものだって。昼が終わって数時間もすれば親が来て、ようやくご飯を食べれる。ようやく誰かと繋がれる。

でもそのゴールがわかっていなかったらきっと俺は耐えられなかった。

怖くてしかたなかった。

 

それがいつなのか忘れてしまったけれどやはり幼少期のことだ。

俺は夢を見た。親も、親戚も、誰も彼も俺をやっかみ、怒鳴る。俺はそれが恐ろしくて逃げる。俺は孤独だ。起きて、夢であることを安心しようとしたが涙が出ていた。そんなことあるわけがないってわかってた。泣いてる俺を見て家族はみんな心配してくれた。でもその恐怖を拭い去ることはできなかった。

 

前述の通り俺は幼い頃病弱で、ある日幼稚園の遠足に行くことができなかった。

持っていくはずだったお弁当を家のベランダで食べた。ベランダは布団を干したりする手すりがあり、まぁそれなりの高さがあるわけだ。

幼い俺の身長では立っていたってろくに外は見られない。お弁当を食べるため座っていた俺には、手すりと天井で空すら満足に見えなかった。隙間から見える空はあんなのにも青く澄んでいるのに、俺がいるのは四方を囲まれた空間だ。衝撃的ではないが、緩やかな崩壊を感じた。

 

他人から見ればなんてことはないことかもしれない俺のトラウマたちだ。

 

1人になりたくない / そもそも君は1人じゃない

置いていかないで / 君は置いていかれていない

外に出たい / 君は比較的自由な部類だ

 

俺はいい子でいたかったから、暴れそうな本能的欲求を理性で殺し続けた。

そんな俺にも友達はできたし、彼らと遊んでる時は満たされている。

 

さて、なんでこんな話をしたかって言うと当然これらとホワイトアルバム2に被る部分があったからだ。

まぁ、この見方はただの幻想なのかもしれないけれど(https://twitter.com/516kmay/status/855786354432647168)、それでもこれがあったから俺に突き刺さったんだからそんなことは些細なものだ。

 

当然、話の方も非常に出来が良かったのでそのまま俺のお気に入りにぶち込まれたわけだ。

話のどういうところがよかったのかは後日話そう。

 

俺は複雑さを好む。

複雑さとは、同時に脆さを兼ねる。

壊れかけが歩む様は美しさと儚さを携え、俺の胸に迫る。

 

ホワイトアルバム2とは、複雑な恋と友情、裏切りと嘘、幸せと絶望の話だ。

 

最後に、この話に囚われた人間がまともな道を歩めるとは到底思えない。

これを書いたやつは悪魔だね。

じゃなきゃ、どうしようもなく人間だ。